花咲じいさん

花咲じいさんこと竹田和平さんは、和製バフェットと呼ばれた日本一の個人投資家で、

上場会社百数十社もの大株主。

日本一の大投資家・竹田和平が語る旦那的投資哲学 花のタネは真夏に播くな (文春文庫)

日本一の大投資家・竹田和平が語る旦那的投資哲学 花のタネは真夏に播くな (文春文庫)

  • 作者:水澤 潤
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2018/09/01
  • メディア: Kindle版
 

 

僕はすっかり、竹田和平さんの生き方に魅了された。

 

 しかし、誰にでも、怒りを抑えられなくて辛い時はあるだろう。

 そんな時、たった一文字で幸せになれる文字がある。

 同じことを弟子に尋ねられた孔子が、それは『恕』(読み:じょ)だと

答えたのだ。

『怒』と実によく似た文字だが、二つの文字は正反対である。

「恕という文字は、女の口の心という、不思議な文字です。この口とは

赤ん坊の口なんですね。つまり乳房を含ませている時の女の人の心の

ことなんです。

 お母さんが赤ん坊に乳を飲ませていて、赤ん坊からオシッコを掛けられ

たらどうでしょうか。自分は相手のために尽くしているのに、相手は自分

にオシッコを掛けてくる。もしも赤の他人にこんなことをされたなら、

さぞかし腹が立つはずですよね。

 だけどそれが自分の赤ちゃんだったらどうでしょう。違いますよね。

可愛い可愛いと、お母さんは何でも許すでしょう。

『恕』の心。それで行けばいいのです。恕の文字を頭に浮かべれば、

もっともっと人はきれいになれるんです」

 

 今、いろんな社会問題がありますが、根源なんてシンプルなものです。

その根源を直さずに、表面に出てくる問題を次々にモグラ叩きみたいに

叩こうとするから一向に問題が直らないのです。

 犯罪でも、最近はウップン晴らしだげが目的みたいな犯罪が多発して

いますよね。しかし、もしも『ありがとう』と言う人ばかりだったら、

そんな犯罪を起こすでしょうか。感謝の反対側にいるから犯罪を起こす

のではありませんか?

 百万人の人がいて、『ありがとうありがとう』と言うようになれば、

日本中がありがとうに染まるようになるでしょう。そうなれば、犯罪は

ゼロになりますよ。犯罪がゼロになれば、十年間で五十兆円の予算が

削減できるのではないでしょうか。『ありがとうの輪』を日本中に

広げるための予算に比べれば、何千倍、何万倍の効果がある投資になる

でしょう。

 

 みなさんも、自分がおもしろいと思ったことは、すぐに自分でやって

みましょうよ。自分が周囲に与えたものは必ず自分に返ってくるもの

だからです。

 サンタさんや花咲じいさん、恵比寿さまなど、みんな幸せそうな顔を

しているでしょう。あれはなぜだと思いますか。

 周りを喜ばせようと努めていると、本人がいちばんよい顔になるの

です。

 年を取ったら花咲じいさん。それがいちばん楽しいことではありま

せんか。

 

人間、気づくのに、遅いという事はない。気づいた時がスタートなんだ。